マイコプラズ肺炎について
2024.09.05
2024年夏頃よりマイコプラズマ肺炎についての問い合わせがとても増えていますので、マイコプラズ肺炎について、当院での検査や治療方針について記載致します。
<マイコプラズマ肺炎とは?>
マイコプラズマ肺炎は、「マイコプラズマ・ニューモニエ」という細菌が原因で起こる肺の感染症です。特に幼児から青年期に多く見られますが、全年齢で発症することがあります。
<症状について>
主な症状は、乾いた咳で、痰が絡まないことが多いのが特徴です。発熱や倦怠感(体のだるさ)、喉の痛み、頭痛もよく見られます。
中には、咳と微熱が続くために受診される方も多くいます。マイコプラズマ肺炎の咳は、熱が下がった後も3〜4週間ほど続くことがあります。
<重症化のリスク>
多くのケースでは軽度で済みますが、重症の肺炎に進行することもあります。また、無菌性髄膜炎、心筋炎、関節炎、ギラン・バレー症候群などの重い合併症を引き起こすこともあります。
これらは稀ですが、重篤なケースもあるため、早期の診断と治療が非常に重要です。
<マイコプラズマ肺炎の検査>
以前は血液検査で抗体を調べる方法や、LAMP法による遺伝子検査が一般的でしたが、結果が出るまでに数日かかるのが難点でした。
現在では、のどの奥から検体を採取して行う抗原検査があり、約15分で結果が分かります。
<当院での検査の流れ>
発熱や咳のある方は、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの検査を行い、陰性確認後、胸部レントゲンで肺炎の有無を確認します。
肺炎が確認された場合や、病歴からマイコプラズマ肺炎が疑われる場合は、抗原検査を実施し、感染の有無を判断しています。
ただし、マイコプラズマ抗原検査キットは必ずしも精度が高いわけではないため、血液検査、レントゲン、臨床経過を総合的に判断して診断を行います。
<治療方法>
治療には主にマクロライド系抗生物質が使用されます。適切な治療を受ければ、症状は徐々に改善されますので、早めに医師に相談することが重要です。
<家庭療養時の注意点>
マイコプラズマ肺炎と診断された後、抗生物質を服用しても48時間以上経っても症状が改善しない場合、特に発熱が続く場合は、耐性菌が疑われます。
その場合、抗生剤の変更が必要になるため、早めに医師に相談してください。
※マイコプラズマ抗原キットは流行期には入荷困難になることがあり、検査希望の方はあらかじめ電話でお問合せをお願いします。
また、マイコプラズ肺炎の一連の検査に1時間程度要する事が多く、予約制で行っております。予約外の場合は検査できないこともありますのでご了承ください。